足そくせき蹠 手 しゅしょう掌(手のひら)心理的にも抑うつ状態となってしまうことがある。1.手足の症状 おもに、手のひらと足のうらに、水疱や膿疱などの病変が現れる。足に重篤な症状が出ると、足の裏が裂け、「割れたガラスや画鋲の上を歩くようだ」と表現されるほどの激痛で歩けなくなることがある。手に重篤な症状が出ると、重い物が持てない、物が掴めない、顔が洗えないなど、日常生活に支障を来し、生活の質(Quolity of Life:QoL)が低下することも多い(図2)。手のひらや足のうら以外にも、すね、膝、肘、頭皮などに症状が現れることがあり、これらは掌蹠外病変と呼ばれている。2.爪の症状 PPPの症状は爪に現れることがある。爪の下に膿疱ができたり、爪が変形したり、爪が剥がれることもある(図3)。爪は皮膚と同じように新しい組織に置き換わるため、これらの症状があっても適切な治療で改善され得る。3.骨・関節の症状 掌蹠膿疱症の10~30%に胸鎖関節や脊椎に骨関節炎がみられ2)、掌蹠膿疱症性骨関節炎(Pustulotic Arthro-Osteitis:PAO)と呼ばれている。骨と骨、骨と腱が接する関節や付着部のみならず、骨そのものに炎症が起き、激しい痛みを伴うこともある。骨の症状は皮膚と異なり、破壊が進むと元に戻らないことが多く、QoLの低下が著しい。4.膿疱が形成されるメカニズムと生物学的製剤 PPPで膿疱が形成されるメカニズムは完図❶ 掌蹠膿疱症は、おもに手掌や足蹠に水疱や膿疱が繰り返しできる病気(足のうら) 掌蹠膿疱症とは58 近年、さまざまな領域において医科と歯科が連携して治療を進めることの重要性が広く周知されており、その一つとして掌しょうせきのうほうしょう蹠膿疱症(Palmoplantar Pustulosis:PPP)が注目されている。本疾病の患者は日本に約14万人いる1)ことがレセプトデータよりあきらかになっており、決して珍しい病気ではないが、歯科医療従事者には十分に知られているとはいえない状態である。 本稿では、掌蹠膿疱症についての基礎的な知識から掌蹠膿疱症患者の歯科診療の実際まで幅広く解説したい。 手のひら(手掌)や足のうら(足蹠)に、水ぶくれ(水疱)やうみ(膿疱)が繰り返しできる病気のため、「掌蹠膿疱症」と呼ばれている(図1)。この膿疱の中に菌は入っていないため、人に感染することはないとされているが、手のひらは人目に付きやすい部位であるため、「気持ち悪がられる」、「釣り銭を投げて渡される」、「孫を触らせてもらえない」などの心ない行動によって深く傷つき、辛い思いをされている患者が多くいる。 そのため、つねに手袋をはめているなど、
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