デンタルダイヤモンド 2026年8月号
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3)快適性が高い 金属を使用しないため、粘膜への刺激や疼痛が比較的少ない。4.アライナー矯正の欠点1)患者の協力度に左右される 十分な治療効果を得るためには、1日20~22時間以上の装着が必要である。2)症例によっては適応に限界がある 重度の叢生や大きな歯の移動、骨格的問題を伴う症例では、ワイヤー矯正が適している場合がある。3)追加治療が必要となる場合がある 計画どおりに歯が移動しない場合、再度計画を立てる必要がある。◉表❶ 包括的歯科治療における矯正治療の役割実際の臨床での利点項目機能改善予防歯科への貢献補綴・インプラント治療との連携審美性の向上咀嚼能率改善、発音、呼吸、TMDリスク低減叢生等改善→清掃性向上、う蝕/歯周病予防スペース確保、歯軸改善、咬合平面の是正スマイル改善→満足度向上 包括的歯科治療における矯正治療の 4つの役割51 これからの矯正治療に求められるのは、単なる「歯並びの改善」ではなく、「健康寿命の延伸」「口腔機能の維持・向上」「患者のライフスタイルに寄り添った治療」である。歯科医療が治療中心から予防・健康支援型へ移行するなかで、矯正治療は包括的歯科治療を支える重要な治療手段として、ますますその役割を拡大していくものと考えられる。 近年、歯科医療は「悪くなった歯を治す医療」から、「健康を維持し、人生を支える医療」へと大きく変化している。う蝕や歯周病を単に治療するだけでなく、口腔機能や審美性を回復し、その状態を長期にわたって維持することが求められるようになった。そのようななか、重要性を増しているのが包括的歯科治療である。 包括的歯科治療とは、う蝕や歯周病だけでなく、咬合、顎関節、歯列、審美性、さらには患者の生活背景までを総合的に評価し、長期的な安定を目指して行う治療である。そのなかで矯正治療は、単に歯並びを整えるための治療ではなく、機能改善、予防、補綴・インプラント、審美のすべてを支える基盤として重要な役割を担っている(表1)。 筆者は包括的歯科治療における矯正治療の役割を、「機能改善」「予防歯科への貢献」「補綴・インプラント治療との連携」「審美性の向上」の4つに整理している。1.機能改善 歯科治療の最終的な目的は、患者が快適に咬み、話し、食事を楽しめる口腔機能を獲得することである。不正咬合や歯列不正が存在すると、咬合力は特定の歯に集中し、歯の破折や咬耗、咬合性外傷を引き起こすだけでなく、顎関節や咀嚼筋にも過剰な負担を与える。また、咀嚼効率の低下は栄養摂取や全身の健康状態にも影響を及ぼす可能性がある。 矯正治療は歯を適切な位置へ移動し、安定した咬合関係を構築することで、咀嚼機能の向上と咬合力の均等化を図ることができる。さらに、適切なアンテリアガイダンスや犬歯誘導を確立することで、側方運動時の咬合干渉を減少させ、顎関節や咀嚼筋への負担軽減にも寄与する。 すなわち機能改善は包括的歯科治療の土台であり、すべての治療の出発点となる。

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