22巻頭特集 近年の歯科補綴治療においては、患者の価値観や生活背景の多様化、使用可能な材料やテクノロジーの進化により、治療計画の立案がいっそう複雑化している。単に欠損部を補うだけでなく、機能性・審美性・予後の安定を兼ね備えた補綴設計が求められている。そのため、術者は補綴主導の視点で診断し、治療計画を立案することが極めて重要である1)。 本稿では、補綴主導型の治療計画においてとくに意識すべき4つの観点と、それらを統合的に評価・運用するための臨床的アプローチについて解説する2)。 補綴装置を固定式とするか可撤式とするかは、単に患者の希望にとどまらず、残存歯の状態や骨支持、清掃性、咀嚼能力、経済面など複数の因子を総合的に評価して決定される。 固定式補綴は、装着感や審美性、機能的な安定性に優れる。一方で、清掃や修理の難しさ、高度な技術が必要とされる点が課題となる。対して可撤式補綴は、清掃性や修理のしやすさ、コスト面での利点があるが、装着時の違和感や可撤性に対する抵抗感が懸念される。 これらの利点と課題を理解したうえで、咬合支持の分布や残存歯の健全性、患者の清掃能力、義歯への適応度、生活背景(介護の有無など)といった臨床的要因を考慮し、患者ごとに最適な補綴形態を選択する必要がある3)。 インプラントの使用可否を判断する際は、骨条件や全身状態を踏まえた多角的な評価が不可欠である。使用する場合は、CTやCBCTによる骨量4)・骨質の評価、咬合力・咬合様式との整合性の確認に加え、GBRやサイナスリフトなどの骨造成を併用することも検討する。 さらに近年では、固定式に加えてインプラントオーバーデンチャー(IOD)という可撤 多様化するニーズと 複雑化する治療設計 1.固定性か可撤性か: 補綴形態の選択とその基準 2.インプラントの使用不使用: 骨条件と全身状態の統合評価相宮秀俊Hidetoshi AIMIYA愛知県・吹上みなみ歯科機能・審美・長期予後を見据えた意思決定のポイント
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