デンタルダイヤモンド 2025年12月号
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意味骨格分類Class IClass ⅡClass Ⅲ図❶ ANBの計測点N点ANBA点B点表❶ ANB角の正常値とその意味ANB角の値0°≦ANB(2°)≦4°正常な上下顎の前後関係上顎前突、または下顎後退が疑われる下顎前突、または上顎後退が疑われるANB> 4°ANB< 0°標準値と比較して、図として理解可能 以下に、それぞれの項目を説明する。顎骨の前方基準点)・N点(Nasion):前頭骨と鼻骨の縫合点(頭蓋の基準点)・B点:下顎前方の骨の最も窪んだ部分(下顎骨の前方基準点)2.計測方法(表1) A点とN点、N点とB点間に線を引き、 5つのポイント ANB53介するかどうかの判断や、患者への説明に際して客観的な指標を示せる点で有用である。 単に歯の叢生や空隙といった見た目だけで治療方針を決めるのではなく、骨格的な背景を理解したうえで計画を立てることで、治療の長期的な安定性が期待できる。 治療を行うにあたっては、まず資料を採得し、問題点を整理したうえで治療計画を立てる必要がある。矯正治療では、写真(顔貌・口腔内)、模型、X線(パノラマ、デンタル、セファロ、CTなど)といった資料を活用して計画が立てられる。 なかでも、セファロ分析は、歯並びの状態を見るだけではなく、上下顎の位置関係や歯の傾斜、さらに顔貌との調和まで客観的に評価できる数少ない方法である。 ただし、「使うのが難しい」という点が挙げられる。そこで以下に、「最低限、押さえておきたいセファロ分析の4つの項目」と「図形分析」の5つのポイントについて紹介する。これらを用いることで、おおまかな骨格のズレやその程度、さらに全体のパターンを把握でき、より精度の高い治療計画を立案するのに役立つと考えられる。 最低限、押さえておきたいセファロ分析の4つの項目は「ANB」、「Wits分析」、「FMA」、「上下顎前歯の歯軸」であり、図形分析とは「CDS分析」である。・ANB、Wits分析:近遠心的な指標・FMA:垂直的な指標・上下顎前歯の歯軸:前歯の前突具合の指標・CDS分析:頭蓋の硬組織および軟組織を 上下顎の前後的な位置関係を評価するための代表的な指標である。1.計測点(図1)・A点:上顎前方の骨の最も窪んだ部分(上

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