デンタルダイヤモンド 2025年11月号
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図❶ セプトカイン®配合注カートリッジ(ジーシー昭和薬品)26巻頭特集 本年(2025年)1月より、新たな歯科用局所麻酔剤としてアルチカイン製剤(販売名:セプトカイン配合注カートリッジ、総称:セプトカイン)(図1)が使用できるようになった。昨年(2024年)までは、リドカイン製剤(オーラ注など)、プロピトカイン製剤(シタネスト−オクタプレシン)、メピバカイン製剤(スキャンドネスト)の3種類だったが、4種類目の歯科用局所麻酔剤が加わったことになる。 本項では、アルチカインおよびアルチカイン製剤の特徴と、従来からある製剤との比較について解説する。 現在、わが国における歯科用局所麻酔剤の市場では、約98%がリドカイン製剤(オーラ注など)である1)。そのため、読者諸氏が診療室で見る歯科用局所麻酔剤はほぼリドカイン製剤だろう。しかし、各種歯科用局所麻酔剤にはそれぞれ特徴がある。患者の状態や常用薬、処置部位、処置内容によって使い分けることが、痛みのない、安全・安心な歯科治療に繋がる。新しい局所麻酔剤が登場したこの機会に、それぞれの歯科用局所麻酔剤の特徴を理解しよう。 アルチカインはリドカインと似た特徴をもっている。これらはアミド型局所麻酔薬の アルチカインおよび アルチカイン製剤の特徴宮脇卓也Takuya MIYAWAKI岡山大学学術研究院医歯薬学域 歯科麻酔・特別支援歯学分野新たな歯科用局所麻酔剤アルチカインの登場、従来の製剤との使い分け

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