デンタルダイヤモンド 2025年10月号
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BMDL上顎第1小臼歯•咬合面の概形は不等辺六角形•弯曲徴の逆転よく発達した中心咬合面隆線(三角隆線)最突出部は近心に偏る近心側に偏る中心溝近心に介在結節をつくる(類蒙古形質群)副隆線くびれは近心>遠心繭形単純根管は20~25%•上顎4では約半数が2根で、単根でも分岐根管が多い2つの髄角図❶ 上顎第1小臼歯の特徴。歯冠の実体顕微鏡像とμCT像および、歯根根尖部から歯冠部までの断面のμCT像27閉塞、死帯などは歯の質に影響を及ぼす。また、セメント質の肥厚やアンキローシスなどの歯周組織の変化は、抜歯操作に大きな影響を及ぼす。1.上顎第1小臼歯(図1) 歯冠の頬側面は不正五角形、咬合面の概形は角のとれた不等辺六角形である。舌側咬頭の高さは頬側咬頭の約85%であり、弯曲徴が他のすべての歯種とは逆の関係を示しているのが特徴である。 近心に介在結節を作るのはモンゴロイドの特徴(類蒙古形質群)で、歯頸部の水平断面は繭形である。歯根は小臼歯中で最も短く、約50%で頬側根と舌側根の2根に分岐する。2.上顎第2小臼歯(図2) 頬側半部と舌側半部の差が小さくなり、全体として丸みを帯びる。咬合面の概形は長円形を呈し、左右対称である。舌側咬頭の高さは、頬側咬頭とほぼ同じ(頬側咬頭の約95%)となる。単根が多い。3.下顎第1小臼歯(図3) 頬舌径が著しく小さく、舌側咬頭の高さが頬側咬頭に比べて約70%と著しく低い。咬合面の概形は扇形あるいは卵円形で、歯冠の長軸と歯根の長軸は角度をもって交わっている。歯頸部水平断面は卵円形で、約2%で2根に分岐する。4.下顎第2小臼歯(図4) 第1小臼歯に比較して舌側半部の発達が良好で、舌側遠心副咬頭の発達も良好である。3咬頭になることもある。 咬合面の概形は角のとれた五角形あるいは正方形で、歯頸部は長円形になり、約3%の割合で2根となる。中心結節の出現率は約3.5%と、すべての歯種で最も高い。 犬歯から小臼歯に至る舌側半部の発達程度の推移を図5に示す。犬歯では基底結節が発達しているが、下顎第1小臼歯では歯冠長軸

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