デンタルダイヤモンド 2025年10月号
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る2)。上顎犬歯の歯胚位置異常は、いわゆる八重歯といった異所萌出だけではなく、永久切歯の歯根吸収を引き起こす危険性がある。そのため、とくに注意が必要となる(図3)。図❷ 異常嚥下癖のある7歳の男児(左:咬合時、右:嚥下時)。前歯部の開咬を認め、舌が上下歯間空隙に突出しているステップ1:行動観察・待合室や診療室に入ってくるときの様子や、保護者と話している際など49の子どもの様子をチェック・指しゃぶりや唇を嚙むなどの癖はないか・姿勢が悪く、口は開いていないか・不明瞭な発音はないかステップ2:顔貌・口腔周囲をみる・左右非対称の顔貌やアデノイド顔貌ではないか・口呼吸ではないか・口輪筋に緊張はないか・反転した口唇や富士山状の上唇ではないかステップ3:口腔内の観察・歯の萌出に遅れはないか・咀嚼に影響するう蝕はないか・機能的因子による歯列・咬合の異常はないか・舌小帯や上唇小帯に異常はないか・嚥下時に舌の突出はないかステップ4:X線検査・う蝕はないか・歯胚の数に異常はないか・歯胚形成に遅れはないか・歯胚の位置や形に異常はないか・歯根は正常に形成されているか・過剰歯や囊胞など萌出を妨げる因子はないかりも上顎のほうが多く、上顎中切歯、上顎犬歯、上顎第1大臼歯で多く認められる2)。 上顎犬歯の萌出障害の75%は局所的な原因が認められず、80〜85%は片側性に発現すPOINT① 小児の口腔の問題点をみつけ出すための観察ポイント

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