デンタルダイヤモンド 2025年9月号
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TypeⅠ図❷ 抜歯後のインプラント埋入時期(参考文献3)より転載)TypeⅡEarly Placement:抜歯早期埋入軟組織の治癒を待ち、抜歯から4〜8週後に埋入TypeⅢEarly Placement:抜歯早期埋入抜歯後、骨の治癒がX線写真上で確認できたのち12〜16週後に埋入TypeⅣLate Placement:抜歯待時埋入完全に治癒した部位に対する遅延埋入6ヵ月以上Immediate Placement:抜歯即時埋入28を行っている。現在では林 揚春氏(東京都開業)の提唱する4S Concept3)に準じて、インプラント治療を行っている。 もちろん、どの埋入のタイミングでも患者の満足が得られるよう、抜歯即時埋入のみならず、抜歯早期埋入や抜歯待時埋入も選択肢としてもつことは必要である。 4S Conceptとは、Short(短期間)、Simple(シンプル)、Small(最小限)、Safe(安全)の4つのSをコンセプトにした、患者目線のインプラント治療である。抜歯即時埋入・即時修復が基本であり、治療開始から3ヵ月以内の最終補綴装置装着を目指している(図3)。その治療プロトコルは確固としたエビデンスに基づいており、従来法に則ってインプラント治療を長年行ってきた筆者にとって、この4S Conceptに出合ったことは大きな転換点になった。 近年は4S Conceptがさらに進化し、材料や治療費の削減も考慮したMinimalismの考え方を提唱している。Minimalismとは、Minimal(最小限)+ism(主義)を組み合わせた造語である。完成度を追求するためには装飾的趣向を凝らすのではなく、むしろそれらを最小限まで省略するようなスタイル(様式)である。 そのような考え方を取り入れたMinimalismを追求したインプラント治療は、必要最小限の治療や手技、材料を用いて、最大限の治療効果を目指すアプローチ法である。この概念は、患者の負担を軽減し、治療過程を効率化しつつ、最良の結果を提供することを目指している。 また、4S Conceptに則ったインプラント治療は、患者と歯科医師双方にとって理想的な結果を追求でき、これからは第一選択となると考える。 4S Conceptとの出合い Minimalismを追求した インプラント治療とは

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