デンタルダイヤモンド 2025年8月号
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タイプⅠ•適応症 上顎前突/叢生/過蓋咬合•種類 ロング S(ソフト・ハード) SS(ソフト・ハード) イニシャル図❷ プレオルソの種類(メーカー資料より引用改変)タイプⅢラインナップ:全11種類症例に応じて3タイプ/複数サイズ/2種類の硬さの素材(ソな臨床例が報告8, 9)されている、大塚 淳先生(岡山県開業)が開発したPREORTHO(プレオルソ:フォレスト・ワン)を現在、積極的に使用している。 現在、プレオルソは全11種類ある(図2)。この装置には、鼻呼吸のトレーニング、口輪筋の鍛錬、舌位の改善、正常嚥下の獲得、習癖防止、歯牙移動の場の確保、唾液分泌の増加などの作用がある。 これらの作用の結果、短期的には前歯部の被蓋の改善、長期的には低位舌、口呼吸、嚥下の改善による歯槽骨改造を伴うアーチフォーム改善と歯列拡大があると考えている。 プレオルソの最大の長所は、舌を挙上し、鼻呼吸を獲得することである。最大の欠点は、装置の装着を患者に依存するため、装着しない場合は効果をまったく期待できないことである。2.生活習慣の改善と運動 頬杖、うつぶせ寝、口唇や舌の異常習癖等の態癖は、通常の数倍の矯正力といわれており、それによって歯が移動してしまうことがある。つまり、日常の生活習慣が不正咬合と密接に関係していることを子どもとその家族フト・ハード)がある。※商標登録・国内特許取得済みタイプⅡ•適応症 開咬症•種類 N(ハード)•適応症 反対咬合•種類 ロング N(ハード) S(ソフト・ハード)64に理解してもらう必要がある。その方法として「顔・からだバランスケア」10)、プレオルソトレーニングブック11)を使用して、子どもとその保護者に治療に必要な知識と行動変容に繋がる気づきを与える。 また、体幹を鍛えてバランス感覚などを養うために、積極的にクラブ活動等に参加するように指導している。さらに、待合室にストレッチボード等を設置し、空いた時間に子どもと一緒にストレッチを行うと、子どもの柔軟性やバランス感覚などを確認できる。この指導が、子どもや保護者とコミュニケーションが深まるきっかけになることもある。3.あいうべ体操 あいうべ体操は、今井一彰先生(福岡県開業・医師)の考案で、口呼吸を鼻呼吸へ改善できる口の体操で、「あー」、「いー」、「うー」、「ベー」と発声しながら口周りの筋肉と舌を鍛える。う蝕や歯肉炎、アレルギー、インフルエンザ、いびき、無呼吸低呼吸指数(Apnea Hypopnea Index:AHI)の改善に効果があり、どこでも手軽に実践できるのが特徴である12, 13)。 MFT(口腔筋機能療法)の一環として毎

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