30巻頭特集 近年、社会全体で「働き方改革」(図1)が叫ばれるなか、歯科医療の現場にもその波が確実に押し寄せている。従来、歯科医院は「非自動化」「非代替性」「人間依存型」「労働集約型」の職種などといわれ、結果的に長時間勤務や属人的な業務が常態化し、スタッフの疲弊や人材の定着率の低下を招いてきた。そのため、こうした問題を解決すべく、歯科医院単位のみならず歯科業界全体として、新たな時代に応じた“働き方の改革”に取り組図❶ 働き方改革関連法について(参考文献1)より転載)む必要が出てきている。 歯科医院における労働環境の課題として、まず挙げられるのは、長時間労働である。もちろん地域性や専門性もあるため一括りにはできないが、急速に増える歯科医院の開設により、多くの歯科医院で医院経営や増患を目的とした診療時間の延長、休日診療などが常態化してしまった。 また、「患者さん」から「患者様」と呼び方を変えるといったホスピタリティーも求め はじめに 歯科医院における労働環境の課題村川達也Tatsuya MURAKAWA福岡県・むらかわ歯科クリニック&LIFE SHIFT矯正歯科歯科医院の働き方改革と医療の融合
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