デンタルダイヤモンド 2025年7月号
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46巻頭特集 政府が唱える「働き方改革」では、長時間労働による働きすぎを防ぎ、ワークライフバランスと多様で柔軟な働き方を実現するよう求めている1)。 また、三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2022」の大賞には、「タイパ」が選出された。タイパすなわちタイムパフォーマンスとは、費やした時間と、それによって得られた効果や満足度の対比2)、すなわち「時間対効果」である。若い世代では「タイムパフォーマンスの高さ」がとくに重要視され、強く意識されるようになっている。 国は医療DX(デジタルトランスフォーメーション)を通じたサービスの効率化や質の向上により、これまで以上に良質な医療やケアを受けられるよう、社会や生活のかたちを変えるとしている。 歯科においてDXがもたらすものは、デジタルの活用により少人数でも短時間で同じ結果を出せるような業務の効率化であり、「質を伴ったタイパ向上」といえる。 当院では現在、患者情報として、カルテやサブカルテ(治療当日の患者との会話の要点や患者の生活上の変化、イベントなどを記入)、各種検査表、口腔内写真、顔貌写真、筋の触診、デンタルX線写真、パノラマX線写真、CBCTなどの資料採得を行っているが、これらを一元管理できれば、院内の業務はかなり効率化できる(図1)。 歯周治療においては「歯周治療のガイドライン2022」3)が客観的指標としてあり、その流れは歯周治療の標準的な進め方として、すでに確立されている(図2)。 われわれの行う歯科治療のほとんどは手作 タイムパフォーマンスへの意識向上 DXによる質を伴ったタイパ向上 当院での歯周治療土肥博幸Hiroyuki DOHI長崎県・どひ歯科クリニック 患者と術者の負担を軽減する歯周治療

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