デンタルダイヤモンド 2025年5月号
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図❹ QRコードを画面上に表示させ、即時に患者と共有できる。当院では診察券アプリ上でURLにして共有している表❶ 筆者がAoralscan 3を選ぶ6つの理由① コストパフォーマンス:初期費用215万円(本体のみ、別途要PC)、保守費用年間4万円とリーズナブル② スキャンスピード:全顎スキャンが約2分で完了③高精度:フルアーチの誤差が0.02㎜ほど  軽量設計:240gのペン型の直線的なデザインで、長時間の使用でも快適④色調再現性:金属や出血部位も高精細に表示⑤ 簡便なデータ共有:QRコードやURLで患者とデータ共有可能⑥ 無料クラウドサービス:追加費用なしでデータ管理が可能34のため、購入前には実際の口腔内で試すことが望ましい。2.一世代前のIOSを選ぶ 最近のIOSの進化は目まぐるしく、古いIOSはスピードや操作性の面で最新機種に劣るため、運用が滞るおそれもある。そのため、最新機種のなかから予防歯科に適したモデルを選ぶことが重要である。3.維持費を考慮しない ランニングコストが高額だと機器の運用が負担になり、結果的にコストパフォーマンスが悪化する。そのため、5年間の総コストを試算し、無理なく運用できる機種を選定することが重要である。 IOSの導入を成功させるためには、事前の準備と環境整備が不可欠である。機器の性能だけではなく、運用面での問題がないかを十分に確認し、スムーズな導入を実現する必要がある。以下に、導入前にとくに注意すべきポイントを詳しく解説する。 IOS選定の失敗例 IOS導入前に確認すべきポイント5.データ共有の利便性 患者とのコミュニケーションを円滑に進めるためには、データ共有の簡便性も重要である。とくに、スマートフォンやPCで閲覧できるURLやQRコードを生成できるIOSは、利便性の高い機能として推奨される(図4)。 この機能を活用することで、患者は自宅でも自身の口腔内データを確認でき、診療外でも関心を維持しやすくなる。また、家族や友人と情報を共有しやすくなるため、口コミによる歯科医院の認知度向上も期待できる。6.耐久性とメンテナンス IOSを安全かつ長期間使用するためには、日常的な消毒や滅菌に対応した設計であることが望ましい。また、万が一の故障に備え、メーカーのサポート体制や修理対応のスピードを事前に確認しておくことも重要である。 以上を踏まえて、筆者がAoralscan 3を選ぶ6つの理由を表1に示す。1.模型のスキャンスピードだけで決める 模型では頬粘膜や舌、歯の湿潤環境の影響を受けないため、患者の口腔内における実際の操作性を正確に評価することが難しい。そ

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