図❸ 暫間補綴装置の形態の違和感を主訴に来院した、30代、女性の初診時の口唇と口腔内写真正面観(2017年9月)図❹ 初診時のパノラマX線写真唇側歯槽堤の増大唇側歯槽堤の維持図❺ 唇側に強く豊隆した補綴形態図❻ 上顎前歯部の治療計画。1は現状の歯肉縁形態を保持するため、唇側歯根片を歯槽窩に残すルートメンブレンテクニックを用いた。また、1は口蓋側にインプラント埋入することにより唇側骨2㎜を維持できるため、軟組織のみによる歯槽堤増大術で対応可能と判断したCase 1 一般的な診断の症例35ブレンテクニックを行い(図7)、1部に上顎口蓋部より採得した結合組織を用いた歯槽堤増大術を実施した(図8、9)。 顔貌に調和した補綴形態にすることで、患者は笑顔に対する自信を取り戻せた(図10〜12)。 審美領域では、初診時の口唇およびスマイルラインに対する上顎中切歯切縁の位置、上顎中切歯の長径と幅径のバランス、形態および色調などの正確な情報を、チェアーサイドからラボサイドへ提供することが、適切な補綴形態を製作するうえで最も重要である。2.治療を終えての反省 顔貌と調和された、違和感のない最終補綴装置装着により、患者の主訴であった美しい口元に回復した。しかし、症例のLongevity
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