56巻頭特集 2号にわたり、われわれ秋田一水会の会員による臨床での取り組みの一部を、「私の臨床進化論」と題して紹介させていただいた。それぞれの筆者が研鑚を積んで自身の臨床手技を見つめ直し、改良を重ねた結果の臨床進化論なわけだが、その土壌となったのが秋田一水会である。もちろん、個人のたゆまぬ努力によって生み出されたものであることは間違いないが、ともに学び高め合う仲間の存在が、少なからず自身の努力のモチベーションに繫がっていることも事実だ。 本特集では、読者諸氏に有益な情報をお届けするとともに、自身の臨床に変化を生み出すには、一人ではなく仲間とがんばるほうがやりがいが大きく、達成までの道筋も回り道が少ないということを伝えたかった。 全国にたくさんあるスタディーグループはそれぞれに特色があり、ジャンルもさまざまであるため、掛け持ちでいくつかのスタディーグループに所属している方も多いと思う。いずれにせよ、より多くの患者を救うために技術を上げたいという目的が共通してあるのではないだろうか。 スタディーグループ本来の役割は、情報収集や、自身の研鑚の結果を発表して多くの意見を取り入れることで、さらにブラッシュアップすることであると思う。しかし個人の目標以外にも、ともに研鑽を積む気の合う仲間を見つけて情報を共有し、高め合うことで、仕事のやりがいを見つめ直すという側面もある。 開業医や個人クリニックの勤務医は、大学病院所属の歯科医師と違い、判断や方向性が個人に委ねられることが多い。その判断や方向性に迷うとき、所属するスタディーグループがあると、複数の先輩や仲間たちから多くの意見を得て、そこから多角的な視野で物事を捉えられるようになる。 特集を終えて GPのあるべき姿山下貴史Takashi YAMASHITA秋田県・山下歯科医院開業医の未来を見据えて
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