ペリミル「人へのアプローチ」連携ブルーラジカルP-01「歯へのアプローチ」の歯科インフラがありながら……によって手軽に治療を受けられるのにの日本人が重度歯周病の歯を有している(令和4年歯科疾患実態調査より)図❶ 歯科医師が取り組まなければならない大きな問題。6mm以上の重度歯周病罹患歯を有する人がわが国には1,100万人存在している口の中に興味がなくなる怠慢・放置(Neglect)図❷ 新時代の歯周治療(New Designed Periodontal Therapy)1)(イラストはLuke株式会社HP〔https://luke-br.com〕より引用改変)プラークが堆積歯周病発症 「ブルーラジカル P-01」と 「ペリミル」がもたらす可能性60 歯周ポケット6mm以上の重度歯周病罹患歯を有する人が、わが国には1,100万人存在している(令和4年歯科疾患実態調査と人口推計から算出)。わが国には約68,000軒の歯科インフラがあり、そして、世界でも類を見ない国民皆保険制度で、1億人を超える国民が歯科を受診できる環境であるにもかかわらずである(図1)。 多くの歯科医師やデンタルスタッフが歯周病と対峙して、この克服に向けて努力を続けた結果が現在の状況である。いま行っていることで“いま”があるとするなら、さらによい結果を求めるのであれば、“新しい何か”を導入しなければ、“いま”からの脱却は困難と考えている。 歯周病の原因は何か。従来は「プラークの堆積」を原因とし、その除去にフォーカスされた治療が行われてきた。しかし、1996年に発刊された「補綴」の教科書には、プラークが堆積するにも原因があると書かれている。その原因とは「Neglect(怠慢・放置・興味がなくなること)」であり、歯周病は「口の中に興味がなくなること」から始まるものであると記されている(図2)。 筆者らのチームは、ここに今後の歯周治療の未来があるのではないかと考え、研究開発と社会実装を行ってきた。本特集のタイトルにある「歯周病への新たなアプローチ」とは、従来の「歯に対するアプローチ」として治験を経て、わが国で承認を得た新規非外科的歯周病治療器「ブルーラジカル P-01」(Luke株式会社:図3)と、Neglectからの脱却を目的に「人へのアプローチ」として患者行動変容アプリ「ペリミル」(Luke株式会社:図4)を連携させて、重度歯周病患者をマネジメントするものである(図2)。 本当に小さな一歩であるが、歯周病の本当の原因に対してアプローチしながら、重度歯周病罹患歯数を減少させることを目的とした活動なのである。約68,000軒国民皆健康保険1,100万人なぜ?
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