図❶ 理想的な口腔内写真図❷ 目標歯に対してシェードガイドの位置が正しくない42巻頭特集 筆者は歯科技工士として20年以上の経験を積むなかで、シェードテイキング(口腔内写真撮影による色合わせ)とシェードマッチング(補綴物の色合わせ)の技術を改良してきた(図1)。本稿ではその遍歴とともに、現在筆者が採用している手法を紹介する。 筆者が歯科技工士になりたてのころ、シェードテイキングはまだ一般的に広く浸透していなかった。補綴物の製作に際しては、指示書に記載されたシェードガイドの「A3」などの簡易的な色指示だけを頼りに作業を行っていた。しかし、この方法では、患者個々人の歯に合った正確な色を再現することは極めて難しかった。 そのため、シェードガイドを使って口腔内写真を撮影し、それを色合わせの指標として使用する方法を取り入れた。これにより色合わせの精度は向上したが、単にシェードガイドを口腔内に配置し、写真を撮影するだけでは精度の高い補綴物は製作できない(図2)。よい資料を採得するためには、以下の重要なポイントを押さえる必要がある。 シェードテイキング菅野雅人Masato SUGANO歯科技工士株式会社 miyabiシェードテイキングとシェードマッチングの臨床進化
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