歯内療法ブラッシュアップ 患者さんと歯科医院のWin-Winの関係を築くためのTips
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054東京都・赤坂TKデンタル山内隆守トランスポーテーションの定義トランスポーテーションの発生原因セス)の形成不足 日々の診療において根管治療は毎日のように行われており、なかでも再根管治療を経験したことがない先生はいないと思われる。再根管治療に至る理由として、さまざまな原因が考えられるが、最も術者依存性が高い要因として解剖学的形態を維持できていないという問題が挙げられる。その結果、未形成領域が生じて細菌が残存することになり根尖病変を形成する。これは術者の解剖学的知識や技術不足であることは否めない。Gorniら1)は解剖学的形態が維持されていない根管は、維持されている根管と比べて成功率が著しく低いことを示唆している。 再根管治療では過去に形成された偏位をいかに修正するかが課題となり、その多くは極めて困難である。その解剖学的形態の破壊現象がトランスポーテーションであり、本来の根管中心軸から逸脱した形成が、細菌残存に直結する。 本項では、トランスポーテーションの理解から予防、さらに生じた場合の対応を整理していく。 トランスポーテーションとはおもに根管形成中に器具の機械的特性の影響や操作によって本来の根管から逸脱して形態が偏位することをいい、レッジやジップ、パーフォレーションを引き起こす要因になり得る(図1)。とくに湾曲した根管の外側壁やその直前で発生することが多く、これは、根管形成時の金属特性により必ず『直線に戻ろうとする』応力が内在しており、この応力が湾曲部の外側壁を不必要に削り取ることや湾曲部を再現できずに直線化させることで偏位が発生し逸脱が起こる。 偏位が起こることで本来の根管形態は破壊され、細菌は残存し、根管洗浄の不足、根管充塡の不備が起こり、結果として細菌や壊死歯髄が残存しやすくなり、根尖性歯周炎の発生や再発を引き起こす。 トランスポーテーションの発生には複数の要因が関与する。1.根管上部形成(ストレートラインアク 根管形成は通常、根管上部の形成と根尖部(下部)の形成の2つに分けられる。 根管上部形成とは、根尖部へファイルを円滑かつ確実に到達させるために、その障害となる象牙質の張り出しや、根管の湾曲部・狭窄部などを可能な限り除去し、器具の挿入および操作を容易にするとともに、根管内での追従性と安全性の向上を目的として行われる処置である。根管上部形成を行わずに根尖部への穿通確認や根管形成を行うと、根管上部でファイルの動きが制限されてしまい、根管の直線化やファイル破折・レッジ形成といった問題を起こす可能性が高くなる(図2)。 髄腔開拡から根管上部形成までの総称をストレートラインアクセスと呼び、歯冠部から根管上部1/3から1/2までファイルがストレスなく挿入できる形態が望ましい。根管上部形成は一般的にバーやファイルで行う。その際に注意したいのがデンジャーゾーン2)の存在である。複根歯において根管は歯根の中央の位置には存在せず、少し分岐部側に寄っているため、根管上部形成をするときには内側に注意して外側を削るようにする。トランスポーテーションへの対応08

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