018広島県・吉岡デンタルキュア吉岡俊彦根尖病変の評価 根尖性歯周炎は辺縁性歯周炎と同じく、慢性炎症として臨床症状がないまま悪化・進行してしまうことが多くある。その根尖性歯周炎による根尖病変(骨吸収)をX線画像にて透過像として確認し、治療介入を検討することとなる。根尖病変の有無はもちろんだが、大きさや形態などを把握することが、正しい診断に繫がる。デンタルX線画像(以下デンタル)やパノラマでの評価はスクリーニングとして非常に重要であるが、現在ではCBCTを用いた3次元的な評価を加えることでより正確でエラーの少ない診断を行うことが可能となっている。 本項では根尖病変を2次元と3次元でどのように評価・診断すべきか、また近年注目されている根尖病変が上顎洞に及ぼす影響についても臨床例とともに詳しく解説したい。 従来から論文などでデンタルにおける根尖病変の評価はPAIスコアが用いられることが多い1)。 PAIスコアを提唱した1986年の論文では上顎前歯を対象に、根尖部のX線画像と組織学的な炎症の評価を関連づけし、スコアを1~5に分類した。 もちろんPAIスコアは5段階で根尖部の炎症の状態を推測する指標として現在でも活用してよいが、根尖病変の大きさに関する情報がないことや上顎前歯部以外で同じように評価してよいかなどは考慮しなければならない。実臨床では根尖病変の大きさ・広がり方(形態)、境界の明瞭・不明瞭などを総合的に判断しなければならない。2次元的な評価であるデンタルやパノラマでは皮質骨の存在、解剖学的な構造物、によって病変の検出が曖昧なことが非常に多い(症例1:図1、2)。上顎臼歯部では34%の根尖病変がデンタルで検出されていないという報告もある2)。 上顎前歯、とくに犬歯においては、解剖学的に根尖部が皮質骨から突出している場合があり、骨吸収が明確に生じない場合もあるため注意が必要である。 また、歯根破折の診断で重要となる歯根に沿った骨吸収も頰舌側に出現することが多いため、2次元的な評価では歯根と重なって撮影されるため見逃されることが多い。 上記の理由よりCBCTが撮影できる環境であれば、その曖昧な評価を正確な評価とするために積極的にCBCT撮影を行うべきである。しかしながら、撮影したからには撮影範囲内すべてに異常所見がないかを十分な読影能力をもって評価する必要があるため、適切な研修を受けなければならず、読影に要する時間を確保する必要がある。 歯内療法の評価を行う際には最小の撮影範囲(FOV)で撮影し、被曝線量を最小にし、高い解像度を確保するべきである。CBCTを用いた根尖病変の評価としては3DPAIスコアや病変の容積で評価する方法などが報告されている。2008年に提唱されている3DPAIスコアでは根尖病変の大きさ(5段階)および皮質骨の膨張がある(E)か皮質骨の欠損があるか(D)を評価することとなっている(図3)3)。また、CBCTで根尖病変の体積を算出し術前術後で改善の程度を数値化し評価することも提案されている4)。・根尖病変の大きさ 根尖病変の大きさはデンタルであれば2次元的な直径、CBCTであれば3次元的な直径もしくは根尖病変の評価と画像診断02
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