図❷ 一般的な方法での位置づけでは、撮影時に肩がぶつかることがある(矢印)。とくに下顎歯の撮影時に多い図❸ このように束ねた髪に回転した装置が接触して頭部を動かし、モーションアーチファクトの原因となる図❹ Veraview X800+での撮影時の様子00901 CBCTの導入効果と活用法画像劣化の要因撮影時の具体的なポジショニング たとえ高解像度モードで撮影しても、実際の空間分解能は焦点サイズ、検出器ピクセルサイズ、拡大率、投影数、再構成フィルターなど、装置固有の複数の要因に影響される。撮影ボリューム内に金属材料が存在する場合にさらに顕著となる。CBCTでは装置特異的なアーチファクトを生じ、画像品質が低下する。臨床撮影では患者の体動によるモーションアーチファクトが加わり、画質が低下する。実際の臨床では、CBCTの画質を低下させる最も多い原因は患者の体動によるモーションアーチファクトである。 体動としては、呼吸、唾の飲み込みなどの患者の動きの他に、回転する装置が接触して患者を動かすこともある(図2)。髪の毛も無視できない。頭の後ろで髪をまとめている場合は注意が必要で、撮影前にほどいてもらうとよい。ポニーテールなどでは回転した装置が髪に触れ、頭部が動いてしまう(図3)。 全顎的な撮影であればモーションアーチファクトはあまり起こらないようであるが、限局した小照射野によるCT撮影ではアームの回転中心が撮影範囲の中心となるため、とくに高解像度モードで必須となる360°撮影時にアームのセンサー部が患者後頭部に干渉しやすくなる。 モーションアーチファクトを防ぐためには、患者の位置づけが重要である。撮影方法は装置によって多少異なるが、筆者はVeraview X800+で次のようにして撮影している(図4)。キャスター付きの事務用椅子に座らせ、深く腰かけ直してもらう。その状態で背もたれに寄りかかったまま椅子ごと前方へ移動してもらうと、自然に顎がチンレストに乗る位置になる。顎の高さは上顎歯列が水平になるように調整する。上顎が上を向くと、後頭部が後傾して回転する装置に接触しやすくなる。両手でホルダーを握らず、手は下ろしてもらう。患者の頭部が無理のない自然な位置で安定するので、撮影中の体動がほとんど生じない。結果として、モーションアーチファクトの少ない360°撮影が達成できる。
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