100福岡県・野間デンタルオフィス天神野間俊宏歯頸部外部吸収の特徴1.病理組織学的特徴 組織切片を用いた報告によると、ECRには以下の3つの特徴が挙げられている。①歯肉の上皮性付着下部に、吸収の開始点 歯根吸収は「破歯細胞による歯牙硬組織の破壊」と定義され、吸収が開始する部位によって、内部吸収と外部吸収に大別されている。外部吸収の1つに歯頸部外部吸収(ECR:External cervical resorption)があり、これが本稿のテーマである。ECRはCBCTの普及に伴い、有病率が近年上昇していると報告されており、日常臨床での遭遇率が高くなっている。 ECRが他の歯根吸収と大きく異なる点が2つ挙げられる。1つ目が、ECRでは吸収を停止させるためには吸収病変を切削して修復する必要があるが、他の歯根吸収では炎症の原因となっている対象にアプローチすること。2つ目はいまだに確立した治療方針がなく、コンセンサスが得られていないのが現状であることである。 本稿では現在得られる情報をまとめ、ECRの特徴と分類、それに基づいた治療方針について考察する。PortalofEntry(PoE)を認める②象牙質内部を吸収が3次元的に進行する③吸収部では骨様組織による修復を認める場合がある 生活歯における特徴として、吸収は歯髄を避けるように進行する。この理由は、非石灰化組織である象牙前質が歯髄の周囲に存在するため、歯髄に侵入することができないためである。このような歯髄を保護するような組織をPericanalar resorption resistant sheet(PRRS)といい、象牙芽細胞や象牙質、骨様組織が含まれる。また、吸収病変は歯髄に近接しているにもかかわらず、歯髄には炎症を認めないことが多い1)。歯根吸収では、破歯細胞による働きによって歯の硬組織を喪失するためである。感染を伴わなければ、吸収部の歯髄への近接度にかかわらず、歯髄炎は生じない。 またECRは外部、歯根表面から生じるため、歯髄の有無にかかわらず認める。Mavridouらによると、既根管治療歯の場合ECRがより侵襲的に進行する傾向を認めたと報告している2)。2.臨床的特徴 ECRを伴う歯は無症状であることが多く、その半分以上が歯科医院での定期的なX線撮影、およびCBCT検査で偶然発見されている。無症状に経過するため、病変が広範囲に広がった時点で発見されることが多い。このことがECRのマネジメントを困難にさせている一因だと考えられる。実際にCBCT画像はデンタルX線画像よりも検出率が高いという報告がある。図1に示すように、デンタルX線画像ではあきらかな透過像を認めないが、CBCT画像では明瞭にその吸収領域を判断することができる。 またECRに典型的な症状はなく、ピンクスポットや窩洞形成、歯髄症状などが起こり得る臨床症状の1つだが、おのおの15~25%の症例で認める程度である3)。3.原因と好発 ECRの原因は、現在まであきらかになっていない。吸収の開始はセメント・エナメル境に象牙質が露出し、同部に炎症が生じることで開始する歯頸部外部吸収の診断と治療15
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