歯科衛生士学校が3年制へと移行し、各校で特色のあるカリキュラムが組まれています。そのため、以前よりも充実した教育を受けてから、臨床現場へと羽ばたく歯科衛生士が増えています。 しかしながら、いざ現場に出てみると、学校で教わっていないことや各医院での決まりごともたくさんあり、最初は学んだり慣れたりするのに時間がかかるのが現実です。そして、先輩歯科衛生士がいなかったり、いても診療で忙しくて後輩の教育に時間を割けなかったりと、基本的なことを教える・教わる環境が整っていない場合も多々あります。 そこで今回、現場で働くうえで、最低限これだけは押さえておきたい、ベーシックかつ実践的な知識をコンパクトにまとめ、最後に問題とポイントを整理するドリル形式の本書を企画いたしました。 本書は本文中の大切な箇所を赤字で表記し、添付の赤いシートを当てると見えにくくなる加工を施しています。そのため、最初にざっと読んで、そのあとでシートを当ててどんな語句が入るのかを考えるなど、設問などがない項目でも、多様な学習ができるように工夫しています。 本書は、経験の浅い方でも学べる作りになっています。その他にも、 「新人や後輩歯科衛生士を教育してあげたいが、時間が割けない」方 「基本的なことがわからず、いまさら聞きにくい」方 「歯科衛生士の仕事に復帰したいけれど、ブランクがあって不安」な方などにも活用いただける1冊です。どんなことでも、基礎ができていてこそ、大きく飛躍できるもの。本書はその基礎のなかの基礎を独学で学べる、いままでにない1冊になっていると自負しています。 今回の改訂では全体を見直し、「4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」や「歯周病の新分類」などを追加収載してアップデートを図っています。本書が多くの歯科衛生士が臨床現場で活躍するベースとなり、患者さんの健康を支える一助に繫がれば、望外の喜びです。2025年12月CASK一同刊行にあたてっ
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