開業医が知っておきたい 審美歯科実践ガイド
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日常臨床におけるラミネートベニアの応用図❶ 外傷による21の歯冠破折で来院した、20代、女性図❷ 外傷後3ヵ月以上経過観察を行ったが、生活反応は認められない図❸ 根管治療を実施0.3㎜図❹ スタンダードなラミネートベニアのマテリアルスペース1.5㎜0.7㎜0.5㎜3ヵ月以上の期間を経ても歯髄反応を得られず、抜髄に至っていた。 本症例の場合、コンポジットレジン修復が第一選択と考えるが、非常に難易度が高い色調であった。また患者自身、長期予後を見込めるマテリアルを望んでおり、11の切縁の連続性、つまり歯冠形態の改善も希望していた。以上の条件とマテリアルの統一化を踏まえ、両歯ともラミネートベニアによる審美回復が妥当であると判断し、治療を進めた(図1〜3)。2.切削・形成 基本的なラミネートベニアの形成イメージを図4に示す。この基本的形成量を基礎として適宜、形成デザインをアレンジしていく必要がある。 切縁をリダクションする理由は、マメロンなどのトランスルーセントを表現する際に歯の裏打ちがあると、補綴物の色調表現が困難となるためである。したがって、一部を便宜的に切削する必要57症例1

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