10時間でわかる歯科経営学
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Q&A2.パワーと影響力 効果的でないパワーの活用状態を表す「パワーオーバー」(Power Over)と、効果的なパワーの活用状態を表す「パワーウィズ」(Power With)という違いがあります。パワーオーバーは、リーダーや権力者が他者に対して指示や命令を下し、従わせることで影響力を行使するアプローチです。この形態のパワーは、強制力や威圧感を伴うことが多く、支配的な性質を持ちます。 パワーオーバーの特徴は以下のようなものがあります。1.トップダウンの指示 上位者が意思決定を行い、下位者はその指示に従う。2.強制力の行使 命令を強制的に守らせることが重視される。3.信頼と協力の欠如 命令に従うことが求められるため、信頼や協力関係が築かれにくい。4.短期的成果 即効性のある結果を期待できるが、長期的な持続性やモチベーションの低下が懸念される。 パワーウィズは、リーダーや権力者が他者と協力し合い、ともに働くことで影響力を行使するアプローチです。この形態のパワーは、協調や共同作業を重視し、相互の信頼と尊重を基盤とします。 パワーウィズの特徴は以下のようなものがあります。1.協力的な意思決定 リーダーとスタッフがともに意思決定にかかわり、意見を交換する。2.協働関係 全員が目標達成に対して責任を共有し、協力して取り組む。3.信頼と尊重 メンバー同士の信頼関係が強まり、互いを尊重する文化が醸成される。4.長期的成果 持続的なモチベーションや組織全体の一体感が高まり、長期的な成功に繫がる。 どちらのアプローチも状況に応じて有効ですが、現代の組織運営においては、パワーウィズのアプローチがより望ましいでしょう。70最近の従業員は、注意したり、ストレートなフィードバックをしたりするとすぐにメンタル不調になったり、退職してしまいます。そのような状況でパワーと影響力を発揮するには、どうしたらよいでしょうか? 私自身は、いわゆるリーダータイプではなく、スタッフを鼓舞して引っ張ることが苦手です。そんな院長であっても、パワーと影響力は効果的に発揮できるのでしょうか? 園延昌志 (東京都・Well-being Dental Clinic)Q1A1Q2

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